Xcode 5.1.1 GM seed リリースノート翻訳

今日の昼頃、外人からメールが来た。
名前は「Apple Developer」というらしい。

どうやら、Xcode 5.1.1 GM seedというものがプレリリースされたらしいので適当に翻訳してみる。

ちなみに、リリースノートにはGM seedが何なのか記されていなかった。たぶん、ただのセカンドネームであって、特に意味はないのだと思う。

主に私が必要とする情報を翻訳しており、一部の翻訳は省略している。

【原文】
https://developer.apple.com/devcenter/download.action?path=/Developer_Tools/xcode_5.1.1_gm_seed/release_notes_xcode_5.1.1_gm_seed.pdf


Xcode リリースノート

Xcode 5.1.1 GMについて

サポート環境

iOS 7.1, OS X 10.9, OS X 10.8向けの開発をサポートしています。
OS X 10.9, OS X 10.8.4以降で動かすことができます。


インストール
本リリースはシングルアプリケーションバンドルです。インストールするには、ダウンロードしたDMGファイルをダブルクリックして、Xcode.appファイルをアプリケーションフォルダにドラッグします。

InstrumentsやFileMergeと同じように、「Xcode」 → 「Open Developer Tool」とメニューをたどってXcode内で追加された開発ツールを起動できます。さらに、追加ツールをドックに保持することによって、Xcodeなしでツールにアクセスすることもできます。


XcodeOS Xサーバーにインストールするには
(私はOS Xサーバーにインストールするつもりがないので、ここの翻訳は省略します。)

テクニカルサポートと学習のためのリソース
(ドキュメントやフォオーラムへのリンクがありますが、ここも省略。本文参照。)


Xcode 5.1の新機能

Arm64が標準アーキテクチャ

Xcode 5.0では、64ビットのiOSアプリケーションを構築するためのサポートが導入されました。新しいアーキテクチャはデフォルトでは有効になっておらず、開発者に移行期間を与えるために、「standard architectures」のリストにも入っていませんでした。Xcode 5.0にも、新しいアーキテクチャ用のStandard Architectures Including 64-Bit (ARCHS_STANDARD_INCLUDING_64_BIT)という設定が導入されているので、64ビット向けビルドを採用するのは簡単です。

Xcode 5.1では、arm64はstandard architecturesのリストにデフォルトで含まれており、プロジェクトは自動的に他の32ビットアーキテクチャと一緒にビルドを開始します。64ビットをサポート可能ではないプロジェクトについては、64ビットアーキテクチャを含まない特殊なアーキテクチャ向けのビルド設定を行う必要があるでしょう。

すべてのアーキテクチャのプロジェクトをビルドするには、明示的なアーキテクチャの設定を削除する必要があります。つまり、デフォルトの標準アーキテクチャの設定を使用します。以前のXcode5.0プロジェクトの「64ビットを含む標準アーキテクチャー」という設定は、今は削除可能です。「64ビットを含む標準アーキテクチャ」という設定は、$(ARCHS_STANDARD)であると再定義されています。

プロジェクトを開いたときにXcode 5.1は、Xcode 5.0の設定を使っていることに対して警告を表示するかもしれません。警告を選択すると、設定を削除するための手順が提供されるでしょう。


OS X ガベージコレクション

Xcode 5.1は、OS XObjective-Cガベージコレクションを使うアプリやフレームワークのビルド、及びデバッグをサポートしていません。そのようなターゲットをビルドしようとすると、ビルドエラーが発生します。GCを使うプロジェクトは、Xcodeマイグレーションツールを使って、ARCに変換することを推奨します。


バイスインストールサポート

Xcodeには新しい-installComponentsコマンドライン引数があります。それはXcodeを起動して、Xcodeに必須のデバイスサポートパッケージをインストールした後、Xcodeを終了します。(15127411)


デバッグ

開発者は自分のクラスのためのQuick Lookコンテンツを提供できるようになりました。あるクラスインスタンスが変数ビューかデータチップを経由してQuick Lookされたときに、デバッガはdebugQuickLookObjectメソッドを探します。このメソッドは、Xcode Quick Lookに存在するオブジェクトを返すことが期待されています。例えば、UIImageやNSAttributedStringなど。(12723736)
*1

Xcode 5.1ではログブレークポイントアクションは、評価式の論理値を出力します。例えば、ブレークポイントアクションが "myString = @myString@" のような場合、ポインタの値ではなく、myStringの値を出力します。(13211695)


インターフェイスビルダー

インターフェイスビルダードキュメントは、使用する機能と必須のOSバージョンについて特別な情報を含むことができるようになりましたので、以前のバージョンのXcodeにてそのようなドキュメントを開こうとしたときに、より良い警告メッセージを表示することができます。(7659982)

インターフェイスビルダーでオートレイアウトを使って画面を構築する際に、適用可能な制約タイプのフルセットを提案します。アスペクト比、比例したサイズと位置、クロス属性アラインメント、制約のほぼすべてのプロパティを編集するための機能を備えた新しいインスペクタ。

インターフェイスビルダーの制約アトリビュートインスペクタは、1つの制約のアイテムと属性を表示し、そしてアトリビュートの編集を許可します。
これは、

view1.centerY = view2.bottom

のようなクロス属性制約を作る能力を有効にします。(13739009)

新しいインターフェイスビルダーは、たとえば、

view1.leading <= view2.leading

といった位置揃え制約や

view1.width >= view2.width

といった等価サイズ制約など、

あらゆる制約タイプのリレーションを編集することを許可します。(14721954)

あなたはインターフェイスビルダーを使って、アスペクト比と、比例したサイズ設定を作ることができ、そして倍率を編集することが可能です。倍率には、0.5のような小数点、1/2のような分数、または1:2のようなアスペクト比を設定できます。(11935843)

インターフェイスビルダー上の曖昧なビューに定義された制約は、オレンジの軸と曖昧さを描画するだけです。これはキャンバス内の潜在的な問題を認識することをより早くします。(15114120)

インターフェイスビルダー上のキャンバスは、システム環境設定の「一般」「スクロールバーの表示」設定に従って、然るべきときにオーバーレイスクロールを表示します。(10069033)

最新のインスペクターは以下をサポートします。

・NSTableViewのfloatsGroupRowsプロパティ(9617000)

・UISegmentedControlのapportionsSegmentWidthsByContentプロパティ(9950528)

・UITableViewのsectionIndexBackgroundColorプロパティ(14776025)

・UITableViewCellプロトタイプのeditingAccessoryTypeをセットするためのDetailボタン(15039987)


コンパイラ

Apple LLVMコンパイラバージョン5.1(clang-502)、及びそれ以降では、最適化レベル-O4オプションはもはやLTO(リンク時の最適化)を意味しません。ビルドのためにLTOを明示的に使用するには、最適化レベルフラグに-fltoオプションを追加します。(15633276)


Instrumentsとシンボル化

最新のInstrumentsは遥かに確実にシンボルを見つけます。(14269449)
もしもシンボルが自動的に表示されなかったら、以下を試してみてください。

Xcodeが生成したデータに対してSpotlightインデックスが無効なときは、/tmpを使うときのように、追加検索パスのグローバルリストをInstrumentsの設定に追加してください。

・The context menu for an address now includes the option Symbolicate with DSYM... to add a specific symbol file.
(すみません、ここの意味がよく分かりませんでした。
アドレスのコンテキストメニューからSymbolicate with DSYM...というメニューを選んでシンボルファイルを指定してみろ、と書いているように見えます。
しかし、このプレリリース版をまだインストールする前なので、そのようなコンテキストメニューがどこにあるのか、具体的にはわかりません。)

・個々の実行可能ファイル、及びライブラリの状態の詳細なリストを表示するために、Fileメニュ下の「Symbols...」を選択してください。緑色の光は、シンボルとソース情報の存在を示します。黄色の光は、ライブラリがいくつかのシンボルを持っていることを示しますが、まだdSYMを見つけることから恩恵を受けることができます。赤色の光は、シンボルが見つからない状態を示します。

Instrumentsのコマンドラインツールは、-wフラグを使うことによって、シミュレーターのSDKとデバイスタイプを指定することができます。"instruments -s devices" としてInstrumentsを起動することによって、サポートされているシミュレーター構成のリストだけでなく、接続されたデバイスを見ることができます。(14996865)


一般

絵文字と他のUnicodeサロゲートペアは、スキーム設定と、プロジェクトファイルでサポートされています。(14837623 & 13827044)



Xcode 5.1.1 GM Seedで解決された問題

コンパイラ

iOS 5.1.1向けにコンパイルされたコードがクラッシュする問題を修正。(16485980)

・ARCとC++を使ったコンパイルコードがクラッシュ問題を修正。(16368824)

・「厳密な別名の強制」をオフにするための-Ofastフラグを許可するようにコンパイラロジックを更新。(16368909)

・SenTestからXCTestにプロジェクトを変換した後のコンパイルエラーを修正。(16387456)

・-fsanitize=undefined-trap -fsanitize-undefined-trap-on-errorオプションを使ったときのコンパイルエラーを修正。(16387418)


デバッグ

Xcodeデバッグ中にクラッシュする問題を修正。(16369101)

・複数のデバッグセッションを実行中にXcodeがクラッシュする問題を修正。(16369025)

Xcode変数ビューでUIViewをクイックルックしたときのいくつかの問題を修正。(16368999)

・UIImageViewをクイックルックしたときの問題を修正。(16489265)

・一部のオブジェクトがクイックルックのポップオーバーの最初の試行で表示されない問題を修正。(16368930)


Xcodeサーバー

Xcodeサーバーが時々間違って、OS Xサーバーとのバージョン互換性がないと主張する問題を修正。(16436893)


Xcodeビルドシステム
・-parallelizeTargets xcodebuildオプションかXcodeのビルド設定を使ったときのアサーションを修正。(16420957)



SenTestingKitとOCUnitを廃止予定
(これらのツール?のことを全く知らないので、翻訳を省略します。)



ATS.frameworkを廃止予定
(このフレームワークのことを全く知らないので、翻訳を省略します。)

*1:この文章ではわかりにくいですが、こちらの説明を見るとわかりやすいかと思います。